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妻社長とは? 妻を社長にして起業するメリット・デメリット

メリットデメリット 起業・ビジネス

妻社長とは?

弊社の妻社長の特徴
  • 登記上は最高責任者だが、会社の決定や判断、実務などは夫がする
  • パートなども可(社会保険非加入推奨・要確定申告)
  • 役員報酬を支払わない事によって、夫の扶養に入る事ができる
  • 所得税を分散できる
  • お家で家事、育児などと両立しやすい。

私は事務や会計などをちょこちょこやって、夫さんは実務を担当しています。
やる気はあっても、残念ながら夫さんのやってる業務が専門的すぎてお手伝いは難しいところです。

妻を社長にするメリット

所得の分散と配偶者控除の適用

一番良く言われるのがこちらですね。

夫が夫が副業を始めた場合、本業と副業の合算が年収になるので、それだけ多くの税金を払う事になります。

所得税は累進課税なので、年収が多くなると税率も上がって行きます。
夫の年収が高額になると扶養控除も使えなくなってしまうし、児童手当も出なくなってしまうかもしれません。
児童手当は世帯の合算ではなく、世帯主の年収で決まるようです。(地域によるかも)

そこで、夫の収入を抑えて、妻に支払う事で税金の軽減や補助金をできる限り受け取れるように調整していくことができます。

色んなパターンがあると思いますが、

妻が社長で無報酬の場合は夫さんの扶養に入って控除が受けられます。

控除が受けられるという事は夫さんが支払う税金が減ります。

しかし、妻も夫も無報酬の場合は会社から給料が出ませんので利益が出ても税金を払うばかりで、副業やっている意味が分からなくなりますね。

妻が無報酬の場合は夫さんに給与を払い、妻さんは夫の本業の会社か副業の会社どちらか選んだ方の被扶養者に登録する事になります。
妻は扶養内の金額までならでパートなどに出る事ができます。

注意点は、夫さんの年収が本業と副業などを合わせて1,000万を超えてしまった場合はそもそも扶養控除が使えなくなるので、こんな入り組んだ手続きをする意味は少なくなるでしょう。

夫さんの本業の報酬が高額など理由で所得税を抑えたい場合

所得税は累進課税なので、たくさんお金をもらうとたくさん税金を払わなくてはなりません。

例えば、ご家庭で年600万円の収入がある時、

夫さん一人で600万円の場合、所得税の合計は690,700円です。

夫婦で300万円ずつの場合、夫さん157,700円、妻も157,700円
所得税の合計は315,400円です。

参考サイト:ZEIMO – 税金とライフマネーの総合サイト
所得税 簡易計算ツール
https://zeimo.jp/tool/income-tax-simplified

扶養を抜けて妻にも社会保険料が発生したりしますし、詳細に計算すれば変わると思いますが、倍以上支払う所得税が変わってきますね。
これはなかなか大きいのではないかと思います。

正確な計算は税理士さんや専門の方にお願いするのが確実ですが、詳細な税額計算ができるサイトも沢山あるので参考にしてみてください。

副業禁止の会社でもコッソリ副業できる

やってみたい事業があったり、副業をしたい。
でも、今の仕事を辞めて収入がなくなってしまうのは困る。
会社に副業をしている事を言いたくない。そんな方にぴったりです。

二か所以上の勤め先がある場合「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を年金事務所へ提出して、社会保険料の計算などを会社にお願いしなくてはいけません。

これは本業の会社と副業の会社で社会保険料を按分(給与の金額に応じて割合を決めて、それぞれの会社から保険料を納める)するためです。

この届出書は、本業の会社と、副業の会社の両方の健康保険番号の記入が必要になるため、この書類を書いてもらうために、副業をしていることを明かさなければなりません。

しかし、副業の会社から夫さんの給料がゼロ(無報酬)であれば、書類を提出する必要もなく、内緒で会社を立ち上げることができるでしょう。年末調整も本業の会社でできます。

本業の会社の給料があるため生活費の心配がない

弊社では、夫さんにはボランティアとして働いてもらい、お給料は出していません。

3年目から夫さんを役員に追加し、少額の給与を支払う事になりました。
そちらの記事は後日投稿します。

創業したてなんかは売上も中々上がらないかも知れませんが、本業を続けていることによって、今まで普通に生活していた本業の給与をそのまま受け取って生活できます。

弊社は1年目はよくわかっていなくて妻も夫さんも無報酬でした。
(役員報酬を設定できる期間が限定されている事を理解していなかった)

2年目は、頑張って多少売上があっても懐が潤っていない事に気づき、給料は妻に出して、夫さんは無報酬としました。
妻の給料はほぼ貯金か子供の学費(たまにお買い物)になっているので、生活はあまり変わっていません。
貯金額が上がっていくので残高を見ながらニマニマしています(ꉺ౪ꉺ)

メリットその他

あとは細かいことになりますが、

〇夫が本業で忙しくても役所や銀行などの平日日中に行うの手続きを妻ができる。
 →これが意外と大事で、副業で会社をやる場合、日中の本業が忙しい時に雑務ができる人は必要だと思います。
役所や税務署の手続きはほとんど郵送でできますが、書類の書き方に不安があったりするときは、間違いがあって何度も郵送のやり取りをするより、直接出向いて教えてもらいながら書く方が効率が良いです。控えもその場でもらえます。

〇日中本業に出ていても電話番ができる。
 →営業電話ばっかりだけど、たまにお客さんからの電話もある。(大体夫さんの携帯に掛けなおしてもらう)

〇小さな雑務などを任せて夫さんは仕事に集中できる。
 →夕飯の買い出しついでに、消耗品などの買い物・銀行振込や入金の確認・領収書の整理

などなど、雑務を妻がやる事によって夫さんの負担が軽くなり、とても喜ばれています。

妻を社長にするデメリット

妻が他の会社で社会保険に入っていると手続きが面倒

妻が正社員やフルタイムパートなどで社会保険に加入している場合は、配偶者控除が使えないため、妻を社長にして起業する意味は少なくなると思います。

妻が二つ以上の会社の社会保険に加入する場合、前述したように勤め先の会社や年金事務所に届出をして色々手続きをする必要があります。

合同会社の役員の場合は給料が少額でも社会保険に強制加入となります。
少額なら加入しなくても大丈夫という噂がありますが、最寄りの年金事務所に確認した所、「業務執行役員は金額に関わらず加入が義務付けられている」との事でした。

妻の勤め先が副業に寛容な会社であれば良いですが、そうでない場合は勤め先の事務的な負担が増えるため、トラブルの種になりかねないのでお勧めしません。

妻さんに安定した収入がある場合は、普通に夫さん社長で起業する方がシンプルで分かりやすいかと思います。

妻は何もしなくて良い訳ではない

妻が社長で会社の最高責任者になるので、色々な手続きは直接出向いて妻が行ったり、免許証を提示したり、印鑑や本人確認が必要な事がたびたびあります。

副業で起業して平日の身動きが取れない夫さんは、妻を幾度となく頼ることになるでしょう。

「何もしなくていいから名前だけ貸して!」といってお誘いするのは後からけんかになるので気をつけましょう。

融資を受ける時が若干面倒

仕入れでまとまったお金が必要になり融資を受けたんですが、その際夫さんも保証人になる必要があり、本業の有給を取って公正役場に出向いて保証人になる手続きをしなければいけませんでした。

銀行員さんに「次に融資をする時までに旦那さんも役員に追加していただけると手続きが楽になりますよ。」と教えてもらいました。

会社について聞かれたときに妻が一人で説明できる必要がある

妻一人で色々な手続きなどをする時、簡単な会社の説明を求められる事があります。

飲食店や、小売店とかであればイメージしてもらいやすいですが、弊社は事業内容も専門的で特殊なので説明してわかってもらう事が難しいと感じています。

妻さんが業務内容をわかっていなくて、すぐに答えられないと怪しい企業と思われるかもしれません。

夫さんの肩書がなくて立ち位置がぼんやりする

夫さんはボランティアで仕事を手伝ってくれている体なので、取引先などに自己紹介する時に肩書がなくて威張れないので若干かわいそうです(笑)
肩書がないことで仕事に影響があった訳ではないので気持ちの問題ですけどね。

妻を社長に起業する事が向いてる夫婦

夫婦がちゃんと会話できる

これが一番大事です。

会社を経営していくにあたって、様々な問題が発生します。
喧嘩中にトラブルが発生しても話し合いができず、問題が先送りになってしまうと後々大変なことになってしまうかもしれません。

奥さまの理解が得られない旦那様は、奥さまを巻き込まずに「ひとり社長」で起業することをお勧めします。
控除や節税の対策は減ってしまうかも知れませんが、夫婦の溝はお金で埋められませんしね・・・。
(埋められる人もいるかも・・・)

「ひとり社長」で起業した後でも、奥さまを役員に追加(登記費用などはかかりますが)して節税対策することもできますので、まずは起業して、うまくやってる姿を見せてからお誘いするのも良いかもしれませんね。

本業の会社や、まわりにバレたくない

夫さんの会社に絶対に見つかってはいけない。
何かしらの事情で夫さんの名前を公表できない。
しかし、やってみたい事業がある。挑戦したい事がある。

そのために会社を興すことが必要なら、妻や親族や友人を社長に起業しても良いんじゃないでしょうか。

妻の情報は公表できるけど夫は公表できない方もおられるでしょう。
昨今、ストーカーや嫌がらせのなどの被害から逃げていて、表に出ることを恐れている方も多いと聞きます。

他者を恐れて我慢するばかりではなく、自分のやりたい事ができる世の中になって欲しいですね。
若干話がそれましたか(‘ω’)

単純に自分の事を周囲に話す事が煩わしいと思う事もありますよね。

自宅を会社住所にして起業して、ご近所や友達や親族に何も言わなければ、(業務内容によるかもしれませんが)誰も気づきません。

弊社はIT系企業で、ホームページに代表の私のフルネームや自宅住所を載せていますが、
誰からも「会社興したの?」とか今の所聞かれません。(気づかれても報告されてないだけかも)

検索する人もいないのでしょうね。安心して起業しましょう。


(5年目追記)夫さんが、パパ友に会社起業した事を飲み会で話してしまって、たまーに地域の集まりに顔出した時などに、面白半分にからかわれるようになりました・・・。
まあ、そんな状況も楽しんでいこうと思う事にしています(^-^;

注意事項

夫に給料を支払う場合、必ず会社にバレる

(追記)3年目から諸事情により夫に給料を出すことになりました。

夫さんに給料を出す場合、上記の【妻が他の会社で社会保険に入っていると手続きが面倒】の項目と同じく、夫さんの本業の会社に二か所給与になった事を伝えて書類を書いてもらわなくてはいけません。

社会保険を二つ(複数)の会社で分割(按分)で支払うために必要な書類になります。

これは、法律で決まっているものですので、抜け道はありません。
(少なくとも私は見つけられませんでした。)

年間20万円以内なら確定申告不要という話もありますが、夫さんは社員になったため、給与が少なくても社会保険強制加入になってしまいました。

絶対にどうしても本業の会社に副業バレしたくない場合は妻さんに給与を支払うようにしましょう。

まとめ

今回は妻を社長に起業する事について投稿しました。

色々な考え方があり、あなた様に当てはまらない事も多いかと思いますが、ご了承ください。

メリット・デメリットの比較の参考になれば幸いです。

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